偏差値40から良い会社に入る方法
田中秀臣教授の新刊『偏差値40から良い会社に入る方法』を拝読しました。
この本は、就職コア層(旧帝大・早慶など)出身でない、ふつうの大学生を対象にした、本当の意味での就活ノウハウ本といった内容になっています。
![偏差値40から良い会社に入る方法 偏差値40から良い会社に入る方法](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41-n2LaB0EL._SL160_.jpg)
- 作者: 田中秀臣
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 単行本
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本書は、就職コア層向けでないと、明言されていますが、「内定が一社出た段階で就活を止めるのはよくない」理由や、大手企業志向が高まる中で、中小だけれども働きやすい「良い会社」に目を向けていたり、「転職を繰り返すと(一般的に)給与水準は低下するので、一番最初の会社は重要」、「離職率や有給消化率などで会社を選ぶ」など、就職コア層の方でも読むに値する部分が多く含まれているように感じました。
そして、就活ノウハウ本としても、「会社をまず10社選んでみる」、「自分探しや自己分析は、役に立たない」、「面接官はどういった気持で就活生を見ているか」、「正しい日本語の重要性」、「大学やゼミで何を学んだか言えるようにする」など、学生のみならず、監査法人への就活を控えた会計士試験合格者にも、役立ちそうな内容が含まれているように思います。
特に、学生の体験談の多くが、(アルバイト、ボランティア、サークルでの体験談なので)没個性的で退屈という話は、恥ずかしながら、私自身の就活でも思い当たる節がありました。
また、私が大学時代にお世話になった教授は、所謂、就職コア層の大学教授ですが、常々「就活をせずそのまま院に行ったので、(アドバイスをしようにも)就活についてよく分からない。一回ぐらい経験しとけば良かった」と漏らしていました。本書では、非コア層の就活行動と対比される形で、就職コア層の行動が明示されていることもあり、就職コア層の教授にも少なからずニーズがありそうな気がします。
さらに、本書では、日本人学生だけでなく留学生の就活事情や、内定切りの実態にも触れられており、新しい問題意識も持てるようになりました。総じて、前作『雇用大崩壊』同様にオススメです。
しかし、大学の教授がこうした本を書く必要があるほど、雇用状況が悪化してるなんて嫌な時代です…。まぁ私の世代だと、そもそもいい時代なんて経験してないんですが。(^^;;
(11/25 0:04追記)トラックバック先のbunz0uさんの書評。僕の書評より本の雰囲気が分かると思います。:http://d.hatena.ne.jp/bunz0u/20091124/1259073730