論文式試験の勉強法

 発表待ちの身ですが、LEC生の参考になればと思い、書いてみることにしました。

・監査論
 吉原講師のレジュメ(論点ブロックのようなもの)をある程度覚えた後、テキスト2冊を試験前までに3〜4回読みました。委員会報告書については、短答後に読み始めたので、グレードアップ答練では該当箇所を探す方のに手間取っていました。
 直前期は、テキストに載っているけど委員会報告書に載っていないもの(10年目標のテキストがどうなっているのかは知りませんが、直前までにどれが委員会報告書に載っていないのかをテキストで分類しておくといいと思います。)や、監査基準の改定、内部統制・四半期について重点的に見直していました。
 総じてテキスト中心の勉強だったと思います。参考までに、グレードアップ答練の成績は、4〜6割程度でムラがありました。
 
・租税法
 計算については、講義後に講義で扱った論点をテキストの例題や計算問題集で復習していましたが、理解はイマイチだったように思います。レベルが上がったと感じ始めたのは、短答後に、答練(講義内で配布された復習答練や、グレードアップ答練、レベルアップ答練)を3,4回解きなおした辺りからでした。租税法の計算は、出題される論点がある程度絞られているので、同じ答練を何度も解きなおすことが非常に有益な科目だったような気がします。
 講義中は、榎本講師のマーカーチェック箇所や板書は面倒なだけだと思っていましたが、直前になると、理解がアヤシゲなところばかりにチェックが入っていて、感謝することになったので、面倒がらずに指示に従った方がいいと思います。
 理論については、全答練1回目までに、(グレードアップ答練の日程に合わせて)理論問題集を1回流し読みをしたレベルでしたが、直前には、三回程度、理論問題集を読みました。租税法理論の書き方は、「AかBか問題になる→××なので、Bと考えることもできる→しかし○○なので、Aが妥当」という風に書けば、高得点が期待できると思います(今年の本試験では役立ちませんでしたが)。また、本番の理論問題は、理論問題集からも結構出題されていたので、(消費税も含めて)広く浅くやっておくべきだと思います。
 参考までに、グレードアップ答練の成績は、5〜6割でしたが、前日に理論問題集をちょろっと読めば点が取れる第1問が8割程度の出来でしたので、計算は半分も出来ていない時が多かったです。レベルアップ答練は3〜6割とランダムウォークな成績でした。
 
管理会計
 計算は、08、09の短答答練である程度できるようになっていました。理論については、講義に合わせて理論問題集を読みなおしていました。レジュメがかさばるので、講義中にレジュメ内容で知らないことを理論問題集に転写していました。
 管理会計は得意な科目でしたが、力がついたと思ったのは、レベルアップ答練の解き直しだと思います。無謀にも08目標時にもレベルアップ答練を取っていましたが、初見では3割程度の出来でした(計算は壊滅、ときどき理論がカスる程度)。何度か解きなおすと典型問題の流れが分かるので、あまり手を広げず、復習し直す(講義も難しいので、2回くらい聞いたこともあります)のが近道だと思いました。
 09については、レベルアップ答練が5.5〜8割、グレードアップ答練は概ね6割程度の成績でした。レベルアップ答練の復習をメインにして、グレードアップ答練は解き捨てのような形でした。どちらをとるにせよ、何度も繰り返すことが肝要だと思います。
 
財務会計
 当初は、グレードアップ講義で配布された計算問題集をやっていました(3〜4回やってる)。その後始まったグレードアップ答練の復習は、あまり重視せず(目で解き方を追う程度、あまりにひどいときは手を動かす)、レベルアップ答練を重点的に復習して、直前期までにいくつか出来ない回をピックアップしていました。僕もそうでしたが、計算ができないのは、練習不足に起因することが多いので、できない論点の答練を何度も解きなすのが一番だと思います(僕は連結CFや事業分離については、何度も解きなおしました。本番はイマイチな結果でしたが)。
 理論については、論文テキスト(とグレードアップ答練で配布されるPointList)をメインに勉強していました。講義内で岡本講師が指摘した箇所にマーカーを引き、この部分を中心に何度も読んでいました(たぶん本番までに5周はしています)。法文集は答練作成時にたまに見る程度で、監査論の委員会報告書とは違い、通読するようなことはしませんでした(結論の背景も論文テキストにまとまっていたので)。
 理論で大事なのは、「仕入割引が出たら、二取引書けばいいんだな」と、論点毎に暗記するのではなく、テキストを読みながら、「会計理論の考え方のひとつに、取引をいくつのものと見るかという視点があるのだな。たとえば、取引がないものと考えてるのが内部取引で、取引が1つと考えるのが1取引基準、そして2つとみるものが2取引基準」といった風に、会計理論の根底にある視点のようなものを、感じ取れるようにすればいいんじゃないかと思いました(もし不合格なら、来年はそういう風に勉強します)。
 テキスト2冊で不安だと思うかもしれませんが、たぶん大手のやってる主要な論点はほぼ網羅してると思います(全答練でも知らない論点はなかったですし)ので、手を広げずに何度も何度もやることが一番だと思います。意外と1,2回やったぐらいじゃ数週間でスッキリ忘れています。
 グレードアップ答練は5割、レベルアップ答練は、3〜8割で推移していました。
 
・企業法
 志村講師の講義を聞いた後は、ひたすら理論問題集を6〜7回程度読み直す勉強をしていました。うまく頭の中でまとまらないときは、紙にフローチャートのように問題の論点を書きだして覚えていました。論文テキストは、数回どうしてもわからない論点を見直す際にだけ使いました。
 あまりヤマをはらずに広く浅くやるのが肝要だと思います。08,09と細かい知識を問う現場対応型の問題が出ているので、もし不合格なら、細かい知識を補強するために一問一答は、一応やろうと思っています。
 グレードアップ答練は、ほぼ合格点(6割以上)でしたが、たまに40点台もとっていました。
 
経営学
 ファイナンスの岡田講師の講義(5回)は非常に難しかったので、倍速で何回か(4回ぐらい?)講義を聴きなおしました。一回一回が非常に重いですが、しっかり復習(レジュメのクイズを解けるようにする)すると、力はついていくので、絶望せずに頑張ってください。
 経営管理論の方は、一問一答を何回もやって、直前は理論問題集(グレードアップ答練で出題されたもの+α)を繰り返しました。結果として経営管理論は本試験で惨敗でしたが、LECの理論問題集には、他校で重要視している論点も含まれていると言われていたので、どうせ他の人も出来ないだろうと思い、安心していました。ただ、他校の重要論点も含まれているので、量は結構ありました。論点ごとにメリハリをつけてやるといいのかなと思いました。
 グレードアップ答練は6割程度、レベルアップ答練は2〜8割とムラがありました。レベルアップ答練は難しかった(特に債権)ので、完璧にはできませんでした。
 
・総評
 どの科目も、特定の教材を何回も繰り返しました。たぶんこれが一番力がつくと思うので、来年また受けることになってもあまり手を広げずにやっていこうと思います。
 また答練の受け方ですが、私は通信生でしたが、短答答練も、論文答練もすべて本試験と同じ時間帯でやっていました。通信生だと気分が乗らず、残った答練は明日にしようと思いがちですが、本番へのトレーニングだと思って同じ日程で受けるといいんじゃないかと思います。特に論文答練は、1週間の間に2セット(6科目*2)を解くようにしていたので、全10回の答練は、体力的・精神的に非常に辛かったです。ただこのおかげで本番では、精神疲労も少なく、やや余裕を持って受けられたんじゃないかと思っています。
 他校の模試は、全答練1回目だけ受けました。受けた理由は、LECの教材でどれだけイケるか確認したかっただけです。成績はイマイチでしたが、LECの教材を真面目にやれば、普通に対応できそうだったので、2回目や大原は受けず、手許にある教材に集中する戦略をとりました。
 ただ、監査法人(新日本と仰星で聞かれました)によっては、予備校模試の成績を聞かれるので、来年も受ける羽目になったら、TAC・大原両方の模試を受けようと思います。
 参考までに、論文までに実際に何をやっていたかのスケジュール(エクセルファイル)を、この記事の後半にアップロードしています。

 長くなりましたが、どこかしらが参考になれば幸いです。